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物理学的半減期・生物学的半減期・実効半減期

内部被曝で重要なのは物理学的半減期と生物学的半減期について知ることです。

半減期というのは、放射性物質の量が半分になるということです。

物理学的半減期は、放射性物質が半分の量になるまでの期間です。
放射性物質は放射線を出しながら、放射線を出さない物質に変化していきます(これを崩壊または壊変とよびます)。こうして放射性物質の量が減っていきますが、1/2になる期間を、物理学的半減期といいます。物理学的半減期は放射性物質の種類によって違います。

核 種
半減期
核 種
半減期
クリプトン90
32.3秒
水素3
12.3年
キセノン138
14.1分
ストロンチウム90
28.8年
フッ素18
109.8分
セシウム137
30.0年
ヨウ素131
8.04日
ラジウム226
1600年
ポロニウム210
138.4日
プルトニウム239
2.4万年
コバルト60
5.27年
ウラン238
45億年

 


これに対して生物学的半減期は、取り込んだ放射性物質を排出していき、1/2になるまでの期間です。大半はオシッコやウンチの形で出て行きます。期間は、放射性物質の種類と年齢、摂取経路によって違います

核 種
乳児
5歳児
成人
ヨウ素131
11日
23日
80日
セシウム137
9日
(~1才)
23日
(1~9才)
90日
(30~50才)

 

半減期の短い物質だと、生物学的半減期が長くても、排出されるまでに放射能がなくなって、身体への影響が低くてすんでしまうかもしれません。

逆に物理学的半減期が長くても、生物学的半減期が短いと、これも身体への影響が少なくてすんでしまうかもしれません。

たとえば、プルトニウム239の物理学的半減期は、2.4万年ですが、消化管からの吸収は非常に少ないとされています。もしかりに、プルトニウム239が口から入ったとしても、一時的なら下剤を飲んだりして腸管の通過時間を短くしてやると、被曝量が少なくて住みます。

実効半減期の計算式

物理学的半減期と生物学的半減期を考慮して、放射線の影響が半分になるまでの期間を実効半減期といいます。

実効半減期をTeff、物理学的半減期をTphys、生物学的半減期をTbiolとしたときの実効半減期は以下の式で求められます。

実効半減期