8月12日付けの朝日新聞(ネット版)につぎのような記事を見かけました。
送り火用被災松からセシウム 一転使用中止 (京都市発表 朝日新聞8月12日)
京都の「五山送り火」で、東日本大震災の津波になぎ倒された岩手県陸前高田市の松でできた薪(まき)を燃やす計画で、京都市は12日、市が取り寄せた薪500本について放射能検査をした結果、放射性セシウムが検出されたと発表した。市は記者会見で「科学的根拠に基づき、誠に残念だが断念せざるを得ない」と説明。16日の五山送り火で燃やすことを中止するという。 市によると、薪の表皮から1キログラムあたりセシウム137が588ベクレル、セシウム134が542ベクレルの放射性セシウムがそれぞれ検出されたという。 この問題では、放射能への不安の声が一部の市民から寄せられ、大文字保存会が被災松の受け入れをいったん中止。そこで市が別の薪を取り寄せ、大文字をはじめとする五山の各保存会が送り火で燃やすことを了承していた。
薪の表皮についた、セシウム137とセシウム147が合計1130Bq/kgです。
福島第一原発から放出された放射性物質が落下し、表面についたもののようです。表皮の部分の汚染量なので、薪全体では、これよりはるかに少ないと思います。
京都市は500本取り寄せたそうですが、単純計算してみましょう。薪一本あたりに表皮の部分が100g程度あると仮定すると、500本全部の汚染量が、1130x0.1x500=56500Bqになります。
これを食品に含まれている自然放射線量と比較してみましょう。カリウム40という放射性物質は、米や食パンに30Bq/kg、ほうれんそうには200Bq/kg、干ししいたけでは700Bq/kg、干しこんぶになると2,000Bq/kgほど含まれているとされています(個体差はけっこうありますが)。
乾し昆布に含まれている量が非常に多いのですが、まあ一回の食事で1キロも使わないので、鍋一回に20g使用すると仮定すると、40Bq/kg取り込むことになりますでしょうか?4人家族と仮定すると一人が取り込む量が10Bq/kgですか。
京都市全体に56500Bq放出されたとして、ひとりあたり、一体何グラム吸収するのでしょうか?
あるいは人を火葬することと比較するのもいいかもしれません。人間は自然全放射線のかたちで、カリウム40、炭素14、ルビジウム87などを、自然の食品経由で取り込むので、体重が60kgの人の場合、7000Bqほど体内に放射能を抱えることになります。
さきほどの薪500本の総ベクレル量56500Bqは約8人分に相当しますね。京都市は毎日何人の方を火葬しているのでしょうか?8人ということはありえないと思われますが・・・
ちょっと過剰反応と思われます。
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