そこで事前に非放射性の医療用ヨウ素剤を飲んでおき、甲状腺が放射性ヨウ素を取り込めないようにしておくというのが、甲状腺の被曝を避ける考え方です。
安定ヨウ素剤はあらかじめ備蓄しておき、事故直後に服用しないと効果が望めません。
被曝が一瞬に生じると仮定して、100mgのヨウ化カリウム剤「ヨウ化カリウム丸」を飲むことによって被曝を阻止できる率を下に示します。
服用が12時間前=90%
服用が 直前 =97%
服用が1時間後=85%
服用が3時間後=50%
しかし安定ヨウ素剤は医療用なので、医師の処方箋が必要で、なかなか手に入りにくいです。
そこで、安定ヨウ素剤が服用できないからといって、
消毒用のヨードチンキや、うがい薬であるルゴール液を飲む方もいらっしゃいますが、
危険なので止めてください。以下にその理由を書きます。
以下は消毒用のヨードチンキ成分です
医療用ヨードチンキ100ml中成分 | |||
---|---|---|---|
ヨウ素量mg | ヨウ化カリウム量mg | エタノール% | |
ヨードチンキA | 3mg | 2mg | 70% |
ヨードチンキB | 6mg | 4mg | 70% |
ヨードチンキC | 5.7~6.3mg | 3.8~4.2mg | 70% |
ここで重要なのはエタノール量です。70%も入っているので、
ストレートでは飲めないウオッカ並みの割合です。
ヨウ素を服用しなければならないのは40才以下で、特に未成年ですから、
こんなに強い、アルコールをそのまま飲ませると、
胃腸の粘膜を荒らして胃炎や潰瘍になる可能性が高いです。
ヨウ素が含まれているうがい薬を飲む方もいらっしゃいます。
これは以下の点で危険です。
うがい薬に入っているヨウ素はポピドンヨードというものです。
ポリビニルピロリドンとヨウ素の製剤なんですが、、
ポリピニルピロリドンは食品衛生法や日本薬局方で摂取は認められていない薬品です。
また、ウィスキー程度の37%のアルコールが入っています。
子供にはきついアルコール量です。
メントールやハッカ油が入っていて、これも飲むものではありません。
ヨードチンキを同じく、消化管や粘膜を刺激する可能性も非常に強くあります。
また、ヨウ素製剤として、うがい薬を14.3も飲むのは結構大変で、
とんでもないことだと思いますが、こういうことで飲んではいけません。
消毒用のイソジンには、ポピドンヨードが含まれています。
これはポリビニルピロリドンとヨウ素の複合体です。
マクロゴールも入っています。皮膚保護用に軟膏基剤として使われます。
ポリビニルピロリドンやマクロゴールも薬事法、食品衛生法上も内服不可なので、
飲んではいけません。
トラックバックURL: http://www.yumenoko.biz/DBhousyanou/mt-tb.cgi/28
コメント(1)
コメントする