テレビや新聞で「100ミリシーベルト以下の被ばくは問題ない」と発言する専門家がいますが、実際はどうなんでしょうか?
これは確定的影響と確率的影響の問題を(わざと?)混同しています。
確定的影響は放射線被ばくによって組織や器官において細胞死や機能不全を起こすことで、
確率的影響は遺伝子の突然変異にもとづく影響です。
「100ミリシーベルト以下の被ばくは問題ない」というのは確定的影響のはなしであって、確率的影響にあてはめることはできません。
どういうことかというと、100ミリシーベルト以下の放射線を被曝しても、
脱毛やヤケドのような急性症状がみられないということです。
しかし、100ミリシーベルト以下の低線量被曝であっても、
確率的な影響を健康に与える可能性はあります。
放射線はわずかな線量でも、確率的に健康に影響を与える可能性があります。
専門家の間でも、
低線量被ばくによって発がん率が上昇するのか否かの議論がずっとされてきましたが
最近では「100ミリシーベルト以下の低線量被曝では安全」という説は間違いだと、証明されつつあります。
また、
「100ミリシーベルトを被ばくしても、がんのリスクが0.5% 上昇するだけです。」という説明がなされることもありますが、これも間違いです。
0.5%という数字は、
ICRP(国際放射線防護委員会)の2007年の勧告中にある、
「1シーベルトあたりの危険率が5%」という考えにもとづいているようです。
1シーベルトで5%のなので、その1/10なら0.5%、
1000人いれば5人分ガンが発生する確率が高くなるというわけです。
しかし、ここにも(わざとの?)混同があります。ICRPの5%という値は、
ガンによる死亡リスクの話で、ガンの発生率ではありません。
いづれにせよ、情報操作と責められてもおかしくはない表現です。
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