福島原発の事故で大量の放射性ヨウ素のI-131(以下放射性ヨウ素)が排出されました。
放射性ヨウ素は甲状腺に集まりやすい性質を持っています。
チェルノブイリの原発事故では放射性ヨウ素を被曝し、
甲状腺癌を発症した子供がたくさん出ました。
原発事故があった場合に、被曝をご心配される方も多いでしょう。
以下では、日本産婦人科学会の資料(注1)をもとに、
内部被曝の計算法(推定)を以下に記します。
まず、放射性ヨウ素ですが、半減期が8日です。
生成されてから1日後で1割減り、8日後で最初の 50%になります。
さらに30日後で1/13、60日後で1/170、90 日後で1/2200になります。
新たに大量の放射性ヨウ素が排出されないかぎり、
かなり早い時期に悪影響が減少していきます。
内部被曝した放射性ヨウ素がすべて甲状腺に集まるわけではありません。
そこで、集まりやすさを計算する係数を使います。
大人の係数:0.00032
乳児の係数:0.00028
胎児の係数:0.00047(このベクレルは母親の摂取量)
被曝量は「ベクレル量×係数」で計算します。
大人の場合:ベクレル量×0.00032
乳児の場合:ベクレル量×0.00028
胎児の場合:ベクレル量×0.00047(このベクレルは母親の摂取量)
たとえば、1 リットルあたり100ベクレルの水を毎日1.0 リットル飲むとすれば
100Bq×1=100Bq
が総被曝量になります。甲状腺の被曝量は、これに係数をかけます。
以下のようになります。
成人:100Bq×1L×0.00032=0.032mSV/日
乳児:100Bq×1L×0.00028=0.028mSV/日
胎児:100Bq×1L×0.00028=0.047mSV/日(mSV=ミリシーベルト)
これが一ヶ月(30日)続くと、
成人:0.032×30=0.96mSV/月
乳児:0.028×30=0.84mSV/月
胎児:0.047×30=1.41mSV/月
となります。
(注1):『大気や飲食物の経度放射性物質汚染について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内(続報)』 日本産婦人科学会'11/4/18
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